天然醸造のワインは自然界にある酵母の働きだけでなく、ブドウの表面にある菌が大きな役割を果たしていることを、奈良先端科学技術大学院大学と京都大学の研究グループが明らかにしました。
ワイン醸造のメカニズムの一端を明らかにしたことで研究グループは、「ワインの起源や成り立ちに迫ることができる」としています。
ワインは、ブドウの果汁に含まれる糖分が酵母の働きで発酵することによってできる醸造酒で、自然の力に任せる天然醸造について、その詳しい仕組みはわかっていませんでした。
京都大学の橋本渉 教授と奈良先端科学技術大学院大学の渡辺大輔 准教授のグループは、発酵に欠かせない酵母がどういう状況で存在しているのかについて、ブドウの表皮に付着する微生物を培養するなどして調べたところ、ブドウの表面には酵母が存在していないことがわかりました。
その一方、自然な環境でブドウを乾燥させると存在していないはずの酵母が高い頻度で検出されました。
そのうえで、ブドウに元から存在する菌の働きを調べたところこの菌がブドウの表皮を分解し酵母が存在しやすい環境を作り出していたことがわかったということで、研究グループでは天然醸造のワインには、酵母の働きだけでなく、ブドウの表面の菌が大きな役割を果たしていると考えています。
研究にあたった奈良先端科学技術大学院大学の渡辺大輔 准教授は、「ワインの起源や成り立ちに迫る成果で、伝統的なワインの味わいを復活させることができるのではないか」と話しています。
この研究成果は、イギリスの科学雑誌「サイエンティフィック・リポーツ」にオンライン掲載されました。
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