<国内女子ツアー:日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯>◇第3日◇10日◇京都・城陽CC(6555ヤード、パー72)◇賞金総額2億円(優勝3600万円)
国内メジャー初優勝へ、西郷真央(20=島津製作所)が来た。首位と8打差43位で“裏街道”のインからスタートし、この日のベストスコア66の猛チャージ。最終9番パー4で第2打を放り込むショットイン・イーグルを決め、通算7アンダー、209と5打差8位に浮上し、最終日の大逆転に夢をつないだ。
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大物だ。最終9番パー4(320ヤード)。ピンまで残り100ヤード、打ち上げの第2打を、西郷が54度のウエッジでカップに沈めた。
「フォローじゃないと届かない番手(クラブ)だったんですが、ちょうど左(後方)から吹いてきて。無理なく振り抜けました」。カップインの瞬間は見えなかった。大歓声でわかった。ピン前2メートルに着弾痕があった。「聞いたところでは(スピンで)戻って入ったそうです」。同じ新世紀世代で首位を走る山下との差を、一気に5打としたショットを喜んだ。
開幕から国内ツアー出場10戦5勝のプロが、首位と8打差43位でインからスタートした。いわゆる“裏街道”を「表で回りたいと思ってましたけど、ギャラリーさんも多くて、そんな(裏の)感じはしませんでした」。京都に本社がある所属先・島津製作所の“応援団”もいた。「最後にいいところをお見せできた」。全然、諦めていなかった。
海外メジャー4戦に出た夏場以降、国内は直近4戦でトップ10こそないが、失速ではない。例えばパット。「今年も“入ってない”と思いますけど、昨年とは違います。外して惜しいと思える距離が3メートルぐらいから、7、8メートルと長くなった。そこは成長したと感じています」。ショット、小技、パット、ゴルフ脳とトータルで秀でる20歳は、より強くなる過渡期にいる。
この日のベストスコア66は自身にとっても、3月明治安田生命レディース第2ラウンド以来13試合39ラウンドぶりとなる今季ベストタイ。「明日はショットの精度も良くして、パットも決めたいです」。5打差逆転で国内メジャータイトル初戴冠へ。目覚めた西郷が、最終日は“表街道”で再びチャージをかける。【加藤裕一】
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