テプラは文具・ラベル業界のキングダムといえるキングジムからリリースされている至極のラベルライター。全世界的に圧倒的なシェアを誇っている。
筆者は現在、数百台あるPCの管理を担当しており、資産管理のためのテプラ作成に忙殺されている。会社で所有するテプラは「SR530」という機種なのだが、手入力ポチポチで実際、数百台分のラベルが作れる訳がない。
できれば非生産的なことはコンピューターに任せてフルオートで行いたい。そういえばテプラにはパソコン専用の機種があると聞いた。それを入手すればいいのでは?
どうせだったら出張先にも持ち運び可能なタイプが望ましい……ということで、筆者は次々とテプラを購入する事となった。
実際に自腹で購入している証拠として、商品写真の左がメーカーの画像、右に実際に購入した実物の画像をご紹介する。
PCとスマホ接続専用! 電池駆動でどこでも使える! 「テプラ PRO SR5500P」
まずは「PCに接続して簡単に入力可能なテプラはないものか」と思い、探して、最初にゲットしたのがこれ。「テプラ PRO SR5500P」である。パソコンに専用ソフトの「TEPRA Label Editor SPC10(Windows)」もしくは「SMA3(Mac)」をインストールする事で、お手軽簡単にお好みのラベルが作成可能な優れものだ。早速出張の際に持って行く事にしよう。
「テプラ PRO SR5500P」の主な仕様
本体価格:2万2000円
ラベル幅:P-TAPE規格 4・6・9・12・18・24mm ※転写テープ、カットラベル、点字テープカートリッジ除く
寸法:約54×132×146mm
電源:付属ACアダプター/単3形アルカリ乾電池×6本(別売)
質量:約440g(乾電池・テープ除く)
最大印刷可能幅:18.1mm(24mm幅テープ使用時)
PCラベルソフトで使い方に無限の可能性が!
テプラ専用のPCソフトには、大量印刷に便利な「流し込み印刷機能」がある。これはExcelファイルやcsvデータを読み込むことにより、あっという間に登録データの大量印刷ができるというイカしたソフトだ。しかもQRコード付きのラベルまで打てるとは!
【テプラの使い方】テプラLabel Editor SPC10 |テプラ活用術|ラベルライター|キングジム
キーボードを持たないラベルプリンターは本来、PCが必要だが、「テプラ PRO SR5500P」は、何とスマホアプリ「TEPRA LINK2」にも対応。iOS、Android端末共に、ワイヤレスでラベル印刷が可能だ。
【FURUの本音ジャッジ】
サイズ・重量 ★★★★
操作性 ★★★★★
利便性 ★★★★
動作速度 ★★★★
価格 ★★★★★
ラベルプリンターのスタンダード!「テプラ PRO SR3500P」(販売終了)
「テプラ PRO SR5500P」1台あれば、これでもういいや、と思ったのもつかの間、職場に戻ってからいちいち配線を繋ぎ直すのは少々面倒。また、サイズの違うラベルを使いたい時にテープを入れ替えるのも大変……という訳で、オフィスの据え置き用にもう1台、PC接続タイプのラベルプリンターが欲しくなった。色々探してみた所、現在は販売終了だが中古で見つけたのがこれ、「テプラ PRO SR3500P」だ。
「テプラ PRO SR5500P」のように電池駆動できない上にACアダプターが必須。スマホと連携すらできないが、USBでPCと接続可能で、縦置きも横置きもOKと隙がない。惜しむらくは販売終了商品なので、流通在庫か中古しかないこと。あとは本体にキーボードが内蔵されていないことくらいがデメリットか。
「テプラ PRO SR3500P」の主な仕様
ラベル幅:P-TAPE規格 4・6・9・12・18・24mm ※転写テープ、カットラベル、点字テープカートリッジ除く
寸法:約109×165×51mm
質量:約400g (テープ除く)
電源:ACアダプター
【FURUの本音ジャッジ】
サイズ・重量 ★★★★★
操作性 ★★★★★
利便性 ★★★★
動作速度 ★★★★
価格 ★★★★★
これで準備は万端だと思ったのだが……。
無線・有線LAN対応! 高速印刷モデル「テプラ PRO SR5900P」
職場用のテプラは揃ったものの、考えてみたら自宅用のテプラがないのに気が付いた。そこで用意したのがこの「テプラ PRO SR5900P」だ。
「テプラ PRO SR5900P」は無線LAN(インフラストラクチャモード、アクセスポイントモード両対応)、有線LANに対応し、従来機と比べ印刷速度が最大で約1.7倍、カッター動作音も約半分という優れものだ。
使えるラベルの規格も、これまでの機種はP-TAPE規格 4・6・9・12・18・24mmと最大24mm幅までの物だったのだが、「テプラ PRO SR5900P」はさらに36mm幅にも対応。大迫力サイズのラベルをお手軽簡単に印刷が可能だ。
また、スマホにも対応する。これ一台さえあれば、パソコン・スマホ専用のテプラとしては申し分ない逸品だろう。惜しむらくは本体にキーボードが内蔵されていないことと、電池駆動をしてくれないことくらいかも知れない。
印刷スピードも結構高速で、音も静か。見た目も可愛いので正直気に入っている。
「テプラ PRO SR5900P」の主な仕様
本体価格:3万6300円
ラベル幅:P-TAPE規格 4・6・9・12・18・24・36mmカットラベル ※点字テープカートリッジ除く
寸法:約123×153×139mm
質量:約1100g (テープ除く)
電源:ACアダプター
最大印刷可能幅:27.1mm(36mm幅テープ使用時)
【FURUの本音ジャッジ】
サイズ・重量 ★★★★
操作性 ★★★★★
利便性 ★★★★★
動作速度 ★★★★
価格 ★★★★★
「テプラ PRO SR5900P」を入手後、やれやれだぜ、と思いつつキングジムのサイトを鼻歌交じりにネットサーフィンしながら一服していると、あるラベルプリンターが目に留まった。それが……
PC・スマホ専用テプラ最上位モデル。「テプラ PRO SR-R7900P」
大きな文字が印刷できて幅50mmの新テープに対応するテプラがこの「テプラ PRO SR-R7900P」だ。幅50mmのテープ? 正に異次元級である。これさえあれば、もし自宅に外国人スタッフが訪ねてきても、適切な言語で対応が可能だ。
玄関に「悪質な訪問販売お断り」ラベルでも貼っておけば効果があるかもしれない。
SR-R7900Pユーザーなら必買のロングカートリッジ!
また、「テプラ PRO SR-R7900P」は大容量45m巻きの「EXロングテープカートリッジ」に対応している。通常のテプラPROのテープカートリッジが8m巻きだから、計算すると5.625倍。気が遠くなるほどの大量なラベルが印字可能になる。
「テプラ PRO SR-R7900P」は「テプラ PRO SR5900P」の上位互換といえる物なので、USB接続だけで無く、無線LAN、有線LAN、そしてスマホアプリ(iOS、Android)にも対応する。ラベルも4mmサイズから対応、上限は50mmだ。
印字スピードについては、充分早い「テプラ PRO SR5900P」よりもさらに約1.4倍も高速。最大50mm/秒は、テプラ史上最速だ。
「テプラ PRO SR-R7900P」があればもう「テプラ PRO SR5900P」はいらないんじゃあないか、という意見には耳を貸さないことにしよう。
超ハイスペックの本機だが、惜しむらくは本体にキーボードが内蔵されていないことと、あと電池駆動をしてくれないことくらいかもしれない。持ち運びもしづらそうである。あくまでも据え置き機と割り切るべきだ。
「テプラ PRO SR-R7900P」の主な仕様
本体価格:6万9300円
ラベル幅:4・6・9・12・18・24・36・50mm EXロングテープ ※カットラベル、点字テープカートリッジ除く
寸法:約193×198×144mm
質量:約2900g(テープ除く)
電源:ACアダプター
最大印刷可能幅:47.9mm(50mm幅テープ使用時)
【FURUの本音ジャッジ】
サイズ・重量 ★★★★
操作性 ★★★★★
利便性 ★★★★
動作速度 ★★★★★
価格 ★★★★★
さすがに貯金ゼロで奥さんから三行半を突きつけられていると言うのに、ここでまたまた愚かな考えを起こしてしまったのである。
みんなにやさしい! かんたんテプラ「テプラ PRO SR150」(販売終了)
ここまで「手入力が嫌だから、PCやスマホで入力可能なテプラが欲しい」というコンセプトで進めてきたのだが、「やっぱりそうは言っても、自分の名前ラベルくらいなら気軽に手入力して印刷が可能な、キーボード内蔵のテプラが欲しいよね」と信念を曲げてしまうことに。
ともあれ、とにかく最安価なものを……ということでオークションで2000円程度でゲットしたのがこちらの「テプラ PRO SR150」。すでに販売終了している超古い機械だが、発売されたのは何と2011年12月16日。10年以上前の機械が今だ中古市場に壊れずに流れているのだ。
実際に手に持ってみた感触としては、とにかく軽くて小さい、それに尽きる。オートカッター機能も内蔵しているし、書体も選べる。4行印刷・2段落の設定も可能だ。最初からこれを買っておけば良かった……、と思って文字を入力した所、あることに気づいた。文字の変換効率が悪い……。
今どきのPCは、連文節変換など平気だが、本機では自分の名前を変換するのにちょっと苦労した。文章の内容によっては、音読み・訓読みを駆使する必要がある。本体が軽くて小さくても、この変換効率じゃなあ……。結局、もうちょっと文字変換能力の高いテプラを探す旅路に出ることになったのである。
まあ、その辺さえ気にせずネームラベル専用、と割り切って使うのであれば、悪くはないのかも知れないが、可能であれば現行機種を買っておいた方が間違いはないだろう。ラベル幅の上限はたったの18mmで24mmラベルは使えないみたいだし。
「テプラ PRO SR-R7900P」と並べてみると、このような感じである。正直小さいのか大きいのかよくわからない比較映像になってしまった。
「テプラ PRO SR150」の主な仕様
寸法:約178×213×56mm
質量:約560g(乾電池・テープ除く)
ラベル幅:P-TAPE規格4・6・9・12・18mm
電源 ACアダプター/単3アルカリ乾電池×6本(別売)
【FURUの本音ジャッジ】
サイズ・重量 ★★★★
操作性 ★★★★
利便性 ★★★★
動作速度 ★★★★
価格 ★★★★★
かつてのハイスペックテプラ「テプラ PRO SR720」(販売終了)
「テプラ PRO SR720」
どうせならもっと「文章変換効率の良いキーボード付きテプラが欲しいよね」ということで引き続きネットで探していた所、本機の中古を1万円弱で発見。
PCの場合だと数世代前の機器は動作が重かったり使い物にならなかったりすることが多いのだが、テプラなら少なくとも文字を入力して印刷するくらいは可能だろうと購入。PCと接続して、PCアプリでラベルを作成可能なのも売りの一つだ。
……いや、待てよ。そもそもキーボード入力でテプラを印字するのが嫌だから、PC専用のキーボードなしのテプラを買っていた訳で、これじゃあPCリンク可能なキーボード付きテプラを最初から買えばよかった……。
後悔してももう遅い。「テプラ PRO SR5500P」と「テプラ PRO SR3500P」、「テプラ PRO SR5900P」&「テプラ PRO SR-R7900P」に「テプラ PRO SR150」……どうするんだこの数。しかし、すでに買ってしまったから仕方がない。それぞれのサイズのテープカートリッジ専用機として同時使用するというつもりで割り切ろう。
これまで使えていたPCラベルソフトが使えない?
ということで、さっそくPCに接続しようとしたが……。「TEPRA Label Editor SPC10(Windows)」では、新しいプリンターを追加登録する場合、プリンタードライバーだけ追加登録できるのだが、何と「テプラ PRO SR720」の型番が存在しない。
少し調べてみると、その前のバージョンの「SPC9」にしか使えないとのこと。じゃあ両方インストールすれば良いか、と言うとそういう訳にはいかず、「SPC10」と「SPC9」は両立できず、片方を入れる場合はもう片方をアンインストールしなければならないという、つまり「SPC10」は「SPC9」の純然たる上位互換では無く、あくまでも特定機器専用のソフト……ということなのだ。
まあようするに、ほかのPC接続系テプラと一緒に使うとするのであれば「テプラ PRO SR720」という選択肢は外れてしまい、あくまでも単独で使う前提になる訳である。
これが「テプラ沼」というものか……ずっぽりはまってしまってもう抜け出すことは不可能かも。ということで次の機種を買うことにしよう。沼で寛いでいます。
「テプラ PRO SR720」の主な仕様
ラベル幅:4/6/9/12/18/24 mm
電源:AC/乾電池
サイズ:203×70×222 mm
重さ:1150g
【FURUの本音ジャッジ】
サイズ・重量 ★★★
操作性 ★★★★★
利便性 ★★★★★
動作速度 ★★★★
価格 ★★★
現行機種の最高ランク! すべてを過去にする「テプラ PRO SR-R980」
これまで色々回り道はしたものの、ついに収束が見えてきたようである。
長い経験で得た結論としては、「最上位機種を買っておけば間違いない!」ということではなかろうか……なので買った。現行機種で最上位機種の「テプラ PRO SR-R980」を。
持った感じは正直、重くて大きい。もちろんトレードオフで高性能だ。印字スピードはACアダプターにつなぐと途端に速くなる。
ラベルの余計な余白が従来機より減っているので、長期的には省エネでSDGsだ。テープの種類に合わせて印刷の速度や濃度、自動カットの設定を最適化してくれるのもポイント高し。
ラベルを引き抜くと次のラベルが印刷される「ピック&プリント機能」は正直その良さがあまり感じ取れないが、すごい機能であろう。
PCと接続可能で、パソコン専用ソフトの「TEPRA Label Editor SPC10(Windows)」にも対応しており、これまで購入したテプラと同時接続して印刷が可能。
もちろん、文字変換エンジンには安心のATOKを採用。文字変換効率も問題ない。やはり最高スペックのテプラを購入して良かった。さあ、これまで買い込んでいたテプラPROテープカートリッジに入れ替えて印刷をしてみるか……。あれ?
これまで使えていたテープカートリッジがはまらない?
ん? 「カートリッジがはまらない」。よくよく見るとそのカートリッジには「P」単体の文字が……。
筆者はあらかじめオークションで中古の使い挿しのテープを数十個買い込んでいた。そのテープの多くはPのマークしか付いておらず、ほかのいくつかにはPとRの併記があった。
もう1度「テプラ PRO SR-R980」を見直して見るとRの文字しか記載されていない。古い機種である「テプラ PRO SR150」にはP単体の文字が……。
今まで購入した機種をすべて調べてみると以下の通りであった。
「テプラ PRO SR5500P」……「P」
「テプラ PRO SR3500P」……「P」
「テプラ PRO SR5900P」……「P」
「テプラ PRO SR-R7900P」……「R」
「テプラ PRO SR150」……「P」
「テプラ PRO SR720」……「P」
で、「テプラ PRO SR-R980」はR。
大慌てでキングジムのサイトを確認してみると、こんな記述を発見した。
<KING JIM/Q>
テプラPROカートリッジやテプラ本体に黒の太字で「P」TAPEのマーク、「R」TAPEのマークがあるのは何ですか。「P」TAPEマークしかないテープがあるのですが、使用できないテプラもあるのですか。
<A>
「P」マーク、「R」マークはそれぞれテプラの規格を表しております。
2015年からテプラの機能性向上のため一部機構を変更しております。
カートリッジの品番に変更はありません。
2015年以前に製造していたテプラテープの一部は現行品のテプラ本体に挿入することができません。ご利用の際はご注意ください。
これは意外だった。最新機種の「テプラ PRO SR-R980」は、古い規格のテプラPROカートリッジを使うことができないのだ。
現行商品のテプラPROカートリッジにはPとRの両表記があるので、ようするに現行商品の新しい規格のテープを新品で買いなさい、ということなのである。
あっ、でもテプラは大好きです。
「テプラ PRO SR-R980」の主な仕様
本体価格:4万9500円
寸法:約195×252×101mm
質量:約1260g(乾電池・テープ除く)
最大印刷可能幅:30.5mm(36mm幅テープ使用時)
ラベル幅:PROテープカートリッジ 4・6・9・12・18・24・36mm ※点字テープカートリッジ除く
電源:ACアダプター/単3形アルカリ乾電池×6本(別売)/単3形ニッケル水素電池×6本(別売)
【FURUの本音ジャッジ】
音声認識度 ★★★★
操作性 ★★★★★
利便性 ★★★★★
動作速度 ★★★★★
価格 ★★★★
結局、Pカートリッジも、パソコンに専用ソフトの「TEPRA Label Editor SPC10(Windows)」にも両方対応している機種はないのだろうか……。しかも、比較的安価な機種で……。という事で最終的に選んでポチったのがこれ。
一番ソツがない? スタンダード中のスタンダードモデル「テプラ PRO SR530」
結局最後に選んだ機種は、会社にすでにあった「テプラ PRO SR530」だった。機能的にも価格的にも一番ソツがない。本体だけでQRコードも印刷できるし。最高スペックの機種は筆者的にはさすがにちょっと尖り過ぎだ。
テプラは頑丈なので10年以上、下手すると20年は持つかも知れない、ある意味良心的なデジタルガジェットだ。使う人との長い人生と魂を共有する道具はそうそうあるものではない。
購入の際は、使用目的に即したテプラを新品で購入して長き人生のお供とするのが、一番お得ではないかと思う。また、下手な互換テープを使うよりは純正を購入した方が結局一番長持ちするに違いない。
ようするにテプラは最強なのであった。
「テプラ PRO SR530」の主な仕様
本体価格:2万5300円
寸法:約196×218×63mm
質量:約850g(乾電池・テープ除く)
ラベル幅:P-TAPE規格 4・6・9・12・18・24mm ※転写テープ、カットラベル、点字テープカートリッジ除く
電源:ACアダプター/単3形アルカリ乾電池×6本(別売)
【FURUの本音ジャッジ】
サイズ・重量 ★★★
操作性 ★★★★★
利便性 ★★★★★
動作速度 ★★★★
価格 ★★★
追伸:SR970も買っちゃった。誰かとめてください。
文/FURU
からの記事と詳細 ( キングジムのラベルライター「テプラ」歴代モデルを使い続けてわかったベストワンモデル| - @DIME )
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