久しぶりのリアルな発表会は大使館公邸で開催
青桐の新緑が鮮やかな季節になった。広尾駅周辺でさえ街路樹の緑が眩しく感じたのに、徳川家所有だったという森に囲まれたフランス大使館公邸の庭園の芝は、自分がいま都心にいることを忘れさせてくれるほど青々と広がっていた。そして、その芝の上に樹々を背景にして白いクルマが1台。まるで緑に包まれているかのようにして佇んでいる姿は、強く印象として心に刻まれることとなった。
飾られていたクルマは、DS オートモビルの新型「DS 4」。これからDS オートモビルの最量販車として期待のかかる重要なクルマだ。大使館公邸をプレス発表会の会場にセレクトしたということだけでも、ステランティスの力の入れようを伺うことができようというものだ。
●レセプションのおもてなしはシャンパンで
18時から──大使館公邸1階のふだんは国内外から来賓を迎える際に使用される広間で──プレスカンファレンスがおこなわれた。DS オートモビルCEOベアトリス フシェ氏とステランティス ジャパン代表取締役兼CEOポンタス ヘグストロム氏のビデオメッセージ、オンラインでの現地スタッフとのQ&Aセッションなど、充実したプログラムを終えて再び庭園の芝の上に立ったときには、すっかり日も沈んだ後だった。
DS 4の背後の樹々は青と赤にライトアップされ、白いDS 4のボディ色と相まってトリコローレを演出。サーブルドール騎士団によるサブラージュ(シャンパンサーベルによるシャンパーニュの特別な抜栓)のあと、シャンパンでの乾杯でレセプションパーティがスタートした。
この夜のレセプションで振る舞われたシャンパンは、「ローラン・ペリエ・ロゼ」。アンリ4世時代のボトルからインスピレーションを受けたというネックが短いボトルは個性的で、サブラージュも見るからに難しそう。この夜も抜栓に成功したのは2度目のサブラージュでだった。
* * *
ところで、シャンパンはフランスのシャンパーニュ地方で生産される、コース料理などでは食前酒としてもっぱら選ばれるスパークリングワインであることは誰もが知っているだろう。そして細かく格付けされていることくらいまでなら、シャンパンが好きの人ならご存知のはずだ。
このシャンパンの格付けと銘柄が価格に反映することはもちろんのこととして、そこにメッセージがこめられることは実はあまり知られていない。フランス大統領官邸であるエリゼ宮で催される晩餐会では、料理のメニューだけでなくワイン(シャンパン含む)のセレクトがすごく重要で、供されたワインで招かれたVIPや要人の重要度を推し量ることができるくらいだ(『エリゼ宮の食卓ーその饗宴と美食外交(西川 恵著)』に詳しく書かれているので、興味ある人はぜひ)。
簡単にいうと、フランスにとってそれなりの要人(国)にはそれなりの、とても大切な要人(国)にはトップレベルのワインが晩餐会で振る舞われるというわけだ。いかにもフランス的ではあるが、それだけワインというものがフランス人の文化や精神に浸透しているということにほかならない。
さて、駐日フランス大使館公邸で振る舞われたシャンパンで、われわれ日本のメディアがフランス(というかステランティス)からどのように見られているのかを推測しようというわけではない。そもそも着席の晩餐会ではなく立食式のレセプションパーティである。ここはシャンパンにDS 4のなんらかのメッセージが込められていると受け取るのが自然だろう。
そこで、「ローラン・ペリエ・ロゼ」からステランティスが新型車DS4をどのようにアピールし、日本マーケットでの展開をどのように希望しているのかを独自に読み解いてみることにした。
からの記事と詳細 ( 新型「DS 4」と「ローラン・ペリエ・ロゼ」に酔いしれてわかった「フランスの匠の技とコダワリ」 | VAGUE(ヴァーグ) - VAGUE )
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