海外インディーによるドット絵スタイルのターンベースRPG『Sea of Stars』のオンラインプレビューイベントに参加して実際のプレイを見てきたので、その内容をお伝えしよう。
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『The Messenger』の開発が新たに挑むJRPG。日本展開も予定
本作を開発するのはカナダのインディースタジオSabotage Studio。8ビット風の世界と16ビット風の世界を行き来する忍者が主人公のプラットフォームアクションゲーム『The Messenger』でデビューした彼らが、クラウドファンディングを経て新たに挑むのが本作となる。
ちなみにゲームジャンルや世界のテイストは大分異なるものの『The Messenger』と世界を共有しており、大洪水で多くの大陸が海中に沈む前の過去の話という位置づけになっている。
ゲームはPCおよび家庭用ゲーム機(Switch版は海外で正式発表されている)で2022年配信予定となっており、架け橋ゲームズのローカライズおよびパブリッシング支援により国内展開も行われる予定だ。
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— Kakehashi Games (@kakehashigames) 2021-12-16 18:50:03
太陽と月の力に導かれたふたりの冒険【キャラクター編】
ゲームはダブル主人公制を採用しており、プレイヤーはどちらがパーティを引っ張っていくかを選んで冒険に出ることになる。今回のデモでは“太陽”側の青年(Zale)をメインに選択していた(対となる月側の女の子はValere)。
この作品世界では太陽と月が象徴的に扱われており、夏至の日に生まれた人々は太陽の、冬至の日に生まれた人々は月の力を持った“ソルスティス・ウォーリアー”となり、“フレッシュマンサー”なる邪悪な錬金術師に対抗するための“日食の魔法”を使えるようになる……という設定となっている。
デモで扱われていたのは、日食を迎える場所へと急ぐ道中でのクエスト。港町を訪れた一行は、地元の海賊一味からとある魔法のコインを持ってきたら引き換えに船を提供すると提案され、かつての魔法使いの研究所であるダンジョンに向かうことに。
そしてこの海賊の子分たちがなかなかいい感じ。両目に眼帯をしたKeenathan、痩せぎみの男性かと思いきや突如ムキムキになるValtraid、爆破マニアのYolandeと、いかにも往年の日本のRPGのサブキャラっぽい凸凹トリオ感がある。
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— Sea of Stars (@seaofstarsgame) 2022-01-27 05:20:26
描き込みの細かいドット絵世界と光田康典氏がゲストとして参加するサウンド【グラフィック&サウンド編】
本作のグラフィックスタイルは、描き込みの細かいドット絵にリアルタイムのライティングシステムやエフェクトを加えるという今どきの構成。このライティングシステムによって、時間帯の変化に応じてちゃんと影の角度が変わったり、街に灯った明かりが路地などにちゃんと反映されるという仕組みになっている。
また冒険を進めていくと太陽と月の力により任意に時間帯を進められるようになり、“クリスタルに光を集めるために時間を進める”といったような時間進行能力を使ったパズルも登場するようだ。
一方サウンドでは、ゲストコンポーザーとして光田康典氏が参加し、10曲前後を提供予定となっているのが注目の部分。スタジオの公式YouTubeチャンネルにはメインコンポーザーによる楽曲が公開されているのだが、そちらもなかなか良さげだ。
往年の名作からの影響を受けつつ、さまざまなこだわりが随所に感じられるシステム【ゲームシステム編】
ゲームシステムでは旧スクウェア(現スクウェア・エニックス)の名作RPG『クロノ・トリガー』からの影響が感じられる部分が随所にあり、例えばゲーム世界はワールドマップとダンジョンや街などのマップの2層構造。
前者は大きく引いた遠景の中を各スポットまで進んでいく簡略的なもので、戦闘や探索などの主なゲームプレイはその先のダンジョンマップなどで起こる形となっている。
そして戦闘システムもシンボルエンカウント的なシステムになっていて、マップ上にいる敵やその弾などに接触するとダンジョンマップのまま画面が切り替わらずにターンベースの戦闘に発展するというスタイルを採用している。
さらにキャラクターに位置の概念があるのもポイントのひとつと言えるだろう。投げなどのスキルで敵を集めてまとめ、範囲攻撃を当てるといった戦法が可能になっている。そのほかの細かい部分は以下の通り。
- タイムバーはなく、スピード値に応じてアクションが実行される
- 攻撃・防御の際にタイミング押しで強化が可能
- 敵を攻撃すると魔法の素を落とすことがあり、それを使ってブーストが可能
- ダメージタイプには物理・太陽・月の3種類がある
- 敵が強力なスキルなどを用意している場合は“月・物理・月”などアイコンがいくつか表示され、それに対応する攻撃を当てることで食い止められる
- 武器はキャラごとに固定でレベルを上げていく
- 防具は街での買い物や宝箱から入手可能
- 複数のアクセサリースロットがありさまざまな追加効果を得られる
今回のダンジョンは結構パズル要素が強めの印象で、台座に置いたクリスタルを駆使してさまざまな色のビームでワープポータルを作り出し、行った先でまた新たなクリスタルを入手してさらに別のエリアに進む、という形になっていた。
というわけで正解の配置を作り出すためにあっちこっち行ったり来たりしながらパズルを解いていくのだが、マップが立体的な構造になっていて、キャラがアクションRPGのように段差を乗り越えたり下の階層に飛び降りたりしていたのもちょっと面白かった部分。これはクインテット開発のアクションRPG『ガイア幻想紀』からインスパイアされた部分だとか。
ちなみに戦闘以外での落下ダメージや巻き戻しなどはなく、よくある“上に乗ると消えるタイルと消えないタイルがある中で向こう岸を目指すトラップ部屋”の場合だと、落下してもすぐに再チャレンジ可能で、周囲には乗れるタイルを教えてくれるスイッチも置かれているといったような親切設計になっていた。
このように、それぞれがものすごく革新的というわけではないのだが、往年のゲームからのさまざまな影響を受けつつ、ちょっとしたこだわりやヒネりが随所に入っているのが本作の特徴と言えるだろう。
それは装備以外のアイテムシステムにも反映されていて、回復アイテムなどはダンジョン内などの特定の場所にあるキャンプスポットで料理を作って用意することとなる。食材は商店でも買えるほか、ダンジョンマップでの釣りや野生の果物などの収穫といった要素もあり、“献立”を考えながら冒険するのも面白そうだ。
「日本はこのゲームにとってすごく重要な場所。出さなきゃいけない」
正直なところ、最初は「プラットフォームアクションゲームからRPGへの転身ってできるのか?」とか「『The Messenger』と同じ世界って、それは取ってつけただけじゃないの?」といった諸々の疑念もあったのだが、デモを見た上でQ&Aでいろいろ質問をぶつけてみた結果、その本気度合いがわかってかなり安心した次第だ。
いわく、どうも実はニンジャものとファンタジーが共存する世界観はスタジオ代表のティエリー・ブーランジェ氏が子供の頃から夢想していたイメージで、RPG開発もずっとやりたかったもののいきなり取り掛かるには難しく、まずは可能なこととして当時は『The Messenger』のアイデア実現を選び、今回満を持して本作に取り掛かったということらしい。
またビジネス的には『The Messenger』が大手インディーパブリッシャーのDevolver Digitalからの発売だったのに対して今作ではクラウドファンディングを受けての自主パブリッシングという形になっているのだが、これもIPをしっかり確保してさまざまな展開をやっていきたいという思いの現れだという。
日本への展開プランについてもあらためて直接確認してみたところ「対応プラットフォームなどを発表したわけではないですが、日本での計画はもちろんあります」、「架け橋ゲームズは『The Messenger』に引き続きローカライズをやりますし、マーケティングもやってもらいます。それは日本はこのゲームにとってすごく重要な場所で、出さなきゃいけないからです」と力強いコメント。発売日や現在発表されている以上の対応プラットフォームなども気になるが、まずはしっかり完成に向けて仕上げていって欲しいところだ。
からの記事と詳細 ( 海外産ドット絵RPG『Sea of Stars』プレビューイベントでわかったゲームシステムなどを一挙紹介。クロノ・トリガーやガイア幻想紀からの影響も - ファミ通.com )
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