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Saturday, December 18, 2021

買ってわかったバルミューダの小型スマホ「BALMUDA Phone」の唯一無二さ (1/2) - ASCII.jp

 家電メーカーのバルミューダから発売になった「BALMUDA Phone」は近年のスマートフォンにはない割り切った性能とコンパクトなサイズという特徴を持つ製品だ。価格はSIMフリー版が10万4000円、ソフトバンク版が14万3200円と、その価格も話題になっている。カメラは4800万画素のシングルレンズを搭載。このカメラについてはファームアップデートで改善され、本レビューではアップデート後の撮り比べも行なった。

 BALMUDA Phoneの基本スペックはSoCがSnapdragon 765、メモリー6GB、内蔵ストレージ128GBという構成だ。ディスプレーは4.9型(1920x1080ドット)で一昔前のスマートフォンを思わせる。バッテリーは2500mAhで充電時間は約90分とのこと。本体はIP44の生活防水対応だ。

近年のスマートフォンとしては小型の4.9型ディスプレーを搭載する

 カメラは4800万画素が1つのみ。背面の右上にカメラが配置され、左側には指紋認証センサーを兼ねる電源ボタンを搭載。左右は完全に対称ではないものの、その間にはスピーカーとLEDライトが配置される。手で握ったときに指先を伸ばしてロック解除が簡単にできる配置になっている。ただし、右手で持った時は人差し指でカメラのほうをタッチしてしまいがちで、どちらに電源ボタンがあるのかは慣れるまでやや時間がかかりそうだ。なお、カメラのすぐ右には通知ライトがあり、充電中は赤、通知時は青など点灯する。

指紋認証センサー兼電源ボタンとカメラが等位置に並ぶ

 「河原の石」をモチーフにデザインしたという本体の形状は独特のもので、横から見ると背面側に大きくカーブしたデザインとなっている。本体サイズは約68×123×13.7mmとたしかに小さく、重量も約138gと軽量だ。右側面にSIMカードスロット、左側面にボリュームボタン、下部にUSB Type-C端子を備える。

大きくカーブを描いた側面形状

 ホーム画面はBALMUDA Phoneオリジナルのウィジェットが大きく配置されている。壁紙デザインに見える斜め2本のストライプはラインの上をスワイプしてアプリ起動できるショートカット機能を備える。また大きなアルファベット2文字はシグネチャー表示で、その下には「Owner」「Birthday」「Phone」と利用者の情報を自由に入力して表示できる。壁紙はよく見ると模様が入っており、パスポートのような絵柄だ。「個人が所有する唯一のデバイス」であることを意識してか、名前などをあえてホーム画面に表示するようにしているそうだ。その下のアプリアイコンはオリジナルアプリなどが並んでいる。

小型かつ石のような形状で持ちやすい本体。ホーム画面は独自のデザイン

 ホワイトカラーモデルの背面仕上げは光沢を抑えざらつきのある「シボ加工」がされている。シボはやや深く使い続けていくうちにすり減ったり色がついたりと表情の変化を楽しむとともに、自分ならではの背面に変化していくという。また本体を握ったときの滑り止め効果も高い。この深いシボは表面の触感を柔らかくし、樹脂製だが革を触っているかのような感触を味わうこともできる。なお中央に彫り込まれているロゴはBALMUDA Phone登場と同時に発足した新ブランド「BALMUDA Technologies」のロゴで、バルミューダ社長寺尾氏の手書きによるものだ。

シボの深い背面は手触りがよい

 通信方式は4GがBand 1/2/3/4/8/12/17/18/19/28/41/42、5Gがn3 /n28/n77/n78に対応する。microSDカードには対応せず、SIMカードもシングルのみと、このあたりも含めハードウェアはかなり割り切った設計になっているといえる。

シングルSIM対応、microSDカードは非対応

ホーム画面をカスタマイズ
独自アプリの使い勝手は?

 ホーム画面はストライプの形状や機能(アプリショートカット)、シグネチャー、オーナー情報の表示を自在にカスタマイズできる。背景の色、ストライプの2本の色の組み合わせ、ストライプの向きは豊富なカラーから変更が可能だ。ストライプ状をスワイプさせたときのデフォルト起動アプリは左から右スワイプでカメラ、右から左スワイプでGoogleマップだが、よく使うアプリを登録しておくと便利だ。

デフォルトのホーム画面(左)。ホーム画面のデザインを自由に変えられる(右)

 シグネチャーはイニシャル2文字を表示するためのものだが、文字は小さくなるものの最大英数字20文字を自由に設定可能。フォントも6種類から変更できる。オーナー名も英数字20文字まで、誕生日は西暦日付、電話番号は数字11文字まで表示可能。個人的にはオーナー名に「@」が入れられればアカウント名を表示できて便利と感じたが記号は入力できない。これらの情報は個別に表示のON、OFFもできる。

イニシャルやオーナー名をカスタマイズ可能(左)。すべての表示をOFFにしてみた(右)

 独自アプリとして用意されているのがスケジューラ、メモ、計算機、時計だ。スケジューラはGoogleカレンダーと連携し、画面のピンチイン・ピンチアウト表示で「1日」から「1年」までの表示をシームレスに切り替えできる。1ヵ月の予定をざっくり確認しながら、特定の日の空き時間を探して予定を入れる、なんて操作もやりやすい。「年」「月」「週」「3日間」表示までは、1日の時間が横に並び予定がGoogleカレンダーで指定した色のラインで表示される。「1日」に拡大すると、今度は時間が縦に並びより詳細な時間を確認できる。

カレンダーの1年表示(左)。1日表示は時間が縦に並び見やすい(右)

 メモアプリはテキストを入力する忘備録などとして使える。こちらは他のアプリとデータのシンクロはできない。それぞれのメモには色を選んでつけることもできるので、カテゴリを分けてメモを残しておくこともできる。サムネイルとしてメモに書いた文字が約3行表示されるほか、写真を張り付ければそれをサムネイルにもできる。さらにメモを書いた時間で時系列に整列表示されるが、配置の入れ替えも自由にできる。

メモは自動的に頭の文字または張り付けた写真がサムネになる(左)。チェックリストの作成もできる(右)

 時計はアナログ時計風でダイバーズウォッチ風にベゼルのリングを回して時間計算も簡単にできる。電卓は「億万千」表示に切り替えできるほか、通貨換算として「円」「ドル」「ポンド」「ユーロ」「中国元」の計算も可能だ。このあたりは旅行時に役に立つだろう。

時計画面(左)。電卓は単位換算もワンタッチでできる(右)

 画面下から上にスワイプすると表示されるアプリ一覧画面は「名前順」「日付順」「最近の仕様」の3画面切り替え式。フォルダーを使った管理には対応していない。よく使うアプリグループを作るのであればホーム画面にアプリショートカットを配置しそれをグループ化すればよい。

アプリ一覧は3画面切り替えできる(左)。フォルダーはホーム画面状に作ることができる(右)

 ベンチマークを測定するとAnTuTu(V9)で348936、Geekbench 5ではシングルコア572、マルチコア1425だった。Snapdragon 765という一世代前のチップセットを搭載していることもあり、ミドルレンジモデルのパフォーマンスといったところだ。とはいえ、ディスプレーサイズは小さく、カメラもベーシック機能に留まっているせいか、操作時にストレスを感じることはなかった。

AnTuTuスコア(左)。Geekbench 5スコア(右)

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