「1日あるいは1週間という単位で観察すると、人の気分には何らかの周期が存在するのではないか?」という仮説を立てた研究者らにより、2500万件のTwitter投稿が分析されました。分析の結果、確かに1日あるいは1週間単位で「気分のサイクル」が存在することが示されています。
Twitter, time and emotions | Royal Society Open Science
https://royalsocietypublishing.org/doi/10.1098/rsos.201900
Twitter data reveals rhythms of people's moods
https://techxplore.com/news/2021-05-twitter-reveals-rhythms-people-moods.html
これまでの研究で、睡眠不足や空腹感といったものが人の気分に大きな影響を与えることから、人の気分と概日リズムの間に関連性がある可能性が示されてきました。
スイスにあるヌーシャテル大学とノルウェー科学技術大学の研究チームは、過去の研究からさらに踏み込んで、「人には通勤といったさまざまな要素を理由とした気分のサイクルが存在するのではないか」と仮説を立てたとのこと。この仮説をもとに、研究チームはさまざまな人口密度を持つアメリカの複数の都市で暮らす人を対象に調査を実施。被験者が行ったTwitter投稿のうち「~したい」「~したくない」といった2500万件もの自己言及のツイートを収集し、1日あるいは1週間のうちに各人の気分がどのように変化しているのかを分析しました。なお、研究チームは投稿の中の絵文字についても分析を行ったとのこと。
分析の結果、まず判明したのは、Twitterに投稿している人は日中よりも午後遅くから夕方にかけて幸福度が増すことでした。また全体の傾向として、Twitter投稿者は日曜の午後から幸福度が減少し、そのまま木曜日まで幸福度は低い状態で保たれました。しかし、木曜日以降は幸福度が上昇し、次の日曜日まで幸福状態が続いたとのことです。
端的に言うと、人は週末が終わる数時間前、月曜日に仕事が始まるずっと前から気分が下がり、週末が近づくにつれ気分が上がります。同様の傾向は1日の中でもみられ、仕事が開始すると人の気分は下がりますが、終わりに近づくと気分が上がることが示されました。
上記の調査結果から、「多くの人は仕事に行くことに対して幸福を感じていないように見えます」と研究者は指摘しています。
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