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Tuesday, August 18, 2020

モーリシャス 貨物船はこう座礁した 航路分析からわかったこと - NHK NEWS WEB

モーリシャス 貨物船はこう座礁した 航路分析からわかったこと

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商船三井がチャーターした貨物船がインド洋の島国モーリシャスの沖合で座礁し大量の重油が流れ出た事故で、位置情報の分析から、貨物船はモーリシャスの南東沖およそ2キロの地点で針路をほぼ90度右に変え、大幅に減速していたことが分かりました。専門家は、この地点で船が何かと衝突し、座礁の原因となった可能性が高いと指摘しています。

岡山県の長鋪汽船が所有し、商船三井がチャーターしていた貨物船「WAKASHIO」は先月25日、モーリシャスの沖合で座礁し、その後、燃料の重油などが大量に流出しました。

AISと呼ばれる、船の位置などを電波で発信する装置のデータ分析を行っている「IHIジェットサービス」が解析したところ、貨物船は、モーリシャスの南東およそ2キロの沖を航行していた先月25日、1分余りの間に針路をほぼ90度右に変え、10ノット前後で進んでいた速度も1ノット以下に低下していたことが分かりました。

船舶事故に詳しい神戸大学大学院の若林伸和教授は「通常、このように人為的に船の向きを変えることはなく、船底が何かに当たって急に向きが変わったのではないか」と述べ、この衝突が座礁の原因となった可能性が高いと指摘しています。

分析データによりますと、貨物船はその後、北におよそ1キロ漂流し、10日余りたった今月5日に電波の発信が止まりました。

また、この海域を航行するほかの船舶のデータと比べると、貨物船は北西におよそ16キロ離れ、モーリシャスの沿岸近くを進んでいたことも分かりました。

専門家「周辺はさんご礁多い」通常と異なる航路とったか

若林教授は「周辺はさんご礁も多く、注意が必要な場所だ。危険な所にわざわざ寄っていくことは考えられない」と述べ、貨物船が通常とは異なる航路をとったことが事故につながったのではないかという見方を示しました。

事故の原因究明に向けては、現地の警察当局などが貨物船の航行データを記録した「ブラックボックス」を回収し、船長を含めた乗組員から事情を聴いています。

商船三井「通常航路からかい離していたことは把握」

貨物船をチャーターした商船三井は「速度が10ノットから1ノットに低下した理由は、座礁が原因だと把握している。また、船が通常の航路からかい離していたことも把握しているが、当社は船をチャーターした立場でありかい離した原因などについては船の所有者である長鋪汽船に確認してほしい」とコメントしています。

また長鋪汽船は「航路は把握しているが、現在、当局が捜査しているところであり、コメントは控えたい。座礁の原因は、当局の聴取が終わったあと、改めて乗組員に事情聴取する予定だ」とコメントしています。

英仏メディア 環境への影響を懸念

商船三井がチャーターした貨物船がインド洋の島国モーリシャスの沖合で座礁した事故について、フランスやイギリスのメディアは重油の回収作業や、環境への影響を懸念する専門家の見方などを伝えています。

このうちフランスはモーリシャスから西に170キロ余り離れたところに海外県のレユニオン島があり、マクロン大統領は今月8日、ツイッターに、「生物の多様性が危機にひんしているときには緊急に行動する必要がある」と投稿し、オイルフェンスなど物資の提供や専門家の派遣といった支援を直ちに行っています。

また、フランスの主要メディアは「数年にわたって白い砂浜やマングローブが汚染されかねない」といった見通しや、「生態系への最悪の災害だ」とする環境団体の懸念を伝え、重油の回収作業などを連日取り上げています。

こうした中、16日にはルコルニュ海外県・海外領土相が現地入りし、上空から現場を視察したほか、モーリシャス政府の閣僚らと面会し、さらなる支援を約束しました。

その一方、ルコルニュ海外県・海外領土相は貨物船の今後の対応をめぐって、「船体を海に沈めるのは望ましくない」と述べるなど、フランス領に影響を及ぼさないようくぎも刺しています。

また、イギリスのメディア各社も事故でモーリシャスの環境に極めて深刻な影響が出ていると伝えていて、このうち公共放送BBCは重油の流出で多様な生物が生息する世界的にも貴重なエリアが被害を受けているとしたうえで、「影響は数十年にわたって残り、手付かずだった沿岸部の自然が元に戻ることはないだろう」という専門家の見方を伝えています。

日本企業の吸着材を現地に

日本の貨物船がインド洋の島国モーリシャスの沖合で座礁し、大量の油が流出している問題で、油だけを吸い取る特殊な繊維を使った吸着材が日本の企業から現地に送られることになりました。

東京・大田区の繊維メーカー「エム・テックス」は、油だけを吸い取ることができる、特殊な繊維の製造で特許を持っていてこの繊維を使った吸着材を生産しています。

吸着材は、去年8月の佐賀豪雨で佐賀県大町町の鉄工所から油が流出した事故でも復旧作業に使われていて、今回は1200リットル分の油を吸い取れる量を支援物資として送ることになりました。

19日、派遣される国際緊急援助隊の専門家チームの第2陣が現地に届けることになっています。

エム・テックスの竹ノ下友基部長は、「事故が起きたあと、何かできないかという思いがあった。美しい環境で、今回の事故が起き、現地の方々は大変な苦労をされていて、メイドインジャパンの技術を役立ててほしい」と話していました。

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August 18, 2020 at 04:21PM
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