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Friday, March 6, 2020

新型コロナ わかった特徴は 2つの型存在 再感染の不安 期待がかかる薬と治療法 - www.fnn.jp

国内で感染が拡大する新型コロナウイルス。3月6日には北海道で新たに7人、千葉県では新たに2人の感染が確認された。

感染拡大を防ぐ策が講じられる中、ウイルスの研究や感染者の治療を通し、新たにわかってきたこともある。

「Live News it!」では、感染症にくわしい、昭和大学医学部の二木芳人氏に解説してもらった。

加藤綾子キャスター「安倍首相の休校要請を受け、休校が実施されてから5日間、日ごとの感染者数をまとめてみました。潜伏期間があるので感染拡大防止に効果があったかわかるのは、しばらく後になると思うのですけれども、やはり感染者数は増えていますよね」

二木芳人氏「ですが、例えばヨーロッパで今、急激に感染が拡大しているドイツやフランスに比べると、1日の患者さんの数は、まだそれほど多くありません。休校ですとか、イベントの自粛。そういうものの効果が出ているんじゃないかなと考えたいですね」

WHOがインフルエンザと比較した新型コロナウイルスの特徴は以下のようなもの。

感染力はインフルエンザが1人→1.4~4人に対して、新型コロナウイルスは1.4~2.5人。

致死率はインフルエンザが1%未満に対して、新型コロナウイルスは3.4%。

新型コロナウイルスはインフルエンザよりも重症化しやすい。

二木芳人氏「現時点で集積されているデータを見ると、この通りだと思うのですが、まだこの疾患の全貌が明らかになったわけではなくて、わたしたちが一番気にしているのは、症状がないけれども感染している方々、あるいは非常に症状の軽い方が結構いるようですので、今から検査を進めて、そういう人たちの数が増えてくると、感染力もちょっと高くなるだろうし、逆に今度は致死率、重症度も下がってきますので、これらのデータは変わってくるかもしれない」

加藤綾子キャスター「なぜ、新型コロナウイルスは重症になりやすいのでしょうか」

二木芳人氏「インフルエンザも状況によっては、特にお年寄りなどは毎年、日本でも1,000人、2,000人が亡くなりますので、これも一概に重症化しやすいとも言えないです」

特に、密閉空間でクラスター(集団感染)が発生している新型コロナウイルス。

クラスターが確認された場所は、北海道のさっぽろ雪まつりと展示会、東京都の屋形船と病院、千葉県のスポーツジム、神奈川県の病院、新潟県の卓球スクール、愛知県のスポーツジム、大阪府のライブハウス、和歌山県の病院など、わかっているだけでも国内で10カ所に及ぶという。

加藤綾子キャスター「やはり、密閉空間で猛威を振るうということなのでしょうか?」

二木芳人氏「そうですね。密閉空間、比較的狭いところにたくさんの人が入って距離が近いということが非常に重要で、そういうところでは飛沫感染、あるいは接触感染も非常に起こりやすいので、やはりここに挙がっている場所だけじゃなくていろんなところで気をつけていただきたいというふうに思います」

加藤綾子キャスター「飛沫感染という言葉が出ましたけれども、飛沫感染だけではなくて、新たな事象も次々と明らかになっているんです。まずは、ペットへの感染。5日、香港政府の発表によると、新型コロナウイルスに感染した60代女性のペットの犬から低レベルの感染が確認されたということで、これは飼い主からペットに感染した可能性があるということなんです。香港政府は『過剰な心配は抱かないように』ということなのですが、今後、ペットを通して感染することも考えられるのでしょうか」

二木芳人氏「そうですね。ウイルスは大体、感染症を起こす相手は決まっているわけですから、動物にウイルスがつくということがありますけれども、動物が感染症という病気を起こしていないので一時のこと。ただし、重症化しやすいような方は、そういうところからウイルスをもらう可能性がありますので、動物に関しても、やはり病気のある方は少しの間、接触を避けた方がいいかもしれませんね」

加藤綾子キャスター「続いては排泄物なんですけれども、中国政府が発表した例では、喉や鼻の検体で14回ウイルス検査をしても陰性だったのにもかかわらず、大便の検査で陽性となった。これはどんなことに注意していけばいいですか?」

二木芳人氏「もともとコロナウイルスというのは腸が好きなんですよね。SARSコロナのウイルスは腸から出てきて下痢もよく起こしたんですが、このウイルスに関しては、下痢の症状も比較的少ないですから、そこから感染するリスクは比較的低いと思いますけれども、そういうものにもウイルスがいるということを意識しておく必要があります」

感染が広がる中、治療法に関する新たな報告も増えている。

1つ目が、ぜんそくの治療薬「シクレソニド」。

この治療薬をクルーズ船ダイヤモンド・プリンセスの乗客で新型コロナウイルスに感染して酸素吸入を行っていた3人に対して投与したところ、2日程度で改善して、うち1人は退院したという。

もう1つが、人工心肺装置を使った治療。

重篤な肺炎患者に人工心肺装置を使い治療したところ、少なくとも15人のうち、4人に回復傾向が見られたという。

加藤綾子キャスター「新型肺炎というぐらいなので、肺炎とかぜんそくと同じような特徴と考えていいのでしょうか?」

二木芳人氏「このシクレソニドというのは、吸入用のステロイドです。これを比較的重い患者にも使っているのですが、今のところたった3人のデータでも良い感触があります。実は国立感染研の方から「ウイルスをやっつける力があるのではないか」というものがあったので試してみたところ、一定の効果が出たという。まだ3人ですので、もう少し慎重に評価する必要があるかと思いますが、こういうものが効けば非常に有望ですね」

加藤綾子キャスター「そして、ウイルス自体の『型』についても新たにわかりました。『L型』『S型』ふたつの型があり、『L型』の方が感染力が強いということなのですが、一度L型にかかって、次にS型にかかるというなんてこともあるんでしょうか」

二木芳人氏「まあ、そういうものもあったという報告ですね。これは、今はやっているコロナウイルスを集めて遺伝子解析をして、どういうウイルスがはやっているのか調べてみるとこの2タイプがあると。S型の方が古いタイプ、動物から来た形に近い。そこからおそらく進化したのがL型で、こちらの方が感染力が強いということもわかっています。面白いのは、武漢から出てきたウイルスはほとんどL型なんです。ところがそのあと、いろんなところで見てみると、S型が少し優勢になってきている。その理由はいろいろ考えられますけれども、変わってきているんです。今後どちらが優勢になるかは見ていかなきゃいけませんね」

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March 06, 2020 at 08:30PM
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