今月に開かれた徳島市の阿波おどりで、今年初めて設置された1人20万円のプレミアム桟敷席が建築基準法に違反した状態で客を入れていたことがわかった。階段の幅などが基準を満たさず、同法で義務付けられた市の「検査済証」の交付を受けていなかった。阿波おどり実行委員会の事務局を務める市の担当課は取材に対し、「違法状態との認識がなかった」と釈明している。
プレミアム桟敷席は、演舞を正面から観覧しながら徳島産の食材を使った料理を楽しめることが売りで、主に訪日外国人客向けに販売された。
市幹部や踊り手団体、地元の経済団体の代表などで構成する実行委が、事業者からの提案を受けて企画。日本各地の特別な体験やイベントの創出を支援する観光庁の事業に採択され、特別観覧席(1万5000円)の設置費と合わせた事業費計5500万円には国の補助金が充てられた。
市中心部2か所の有料演舞場のうち、藍場浜演舞場で、東京の業者などが今月5日に着工。アルミ素材のパイプで高さ6・5メートル、幅8メートル、奥行き5メートルのやぐらを組み、地上2・5メートル~3メートルの場所に4人掛けの座席を5か所、計20席を設け、11日に完成した。
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