次世代の可能性として、内燃機関とEVの特徴を両方併せ持つPHEV。純内燃機関仕様に対する純粋な上級車種としての地位も確立しつつあり、その流れは世界中に広がっている。
もちろん流れはジープにも届いており、今年1月にはグランドチェロキーにもPHEV仕様が登場した。今回企画では、そんな新世代のジープを試乗チェックしてきた!
文、写真/木村好宏
【画像ギャラリー】新世代のトップモデルを徹底チェック!(34枚)■環境新世代のPHEV
自動車の発明は確かにドイツだったが、ベルトコンベアによる大量生産方式やオートマチック(トルクコンバーター)など、その後の技術進化はほとんどアメリカで見られている。さらにステーションワゴン、そして現在、世界中でブームとなっているSUVの発祥地もアメリカである。
とりわけ1992年のデトロイトショーでデビューしたジープグランドチェロキーはポルシェカイエンの誕生に大きな影響を与えたと言われる。当時、開発を推進していたヴィーデキング社長はグランドチェロキーのオーナーで、カイエン・プロジェクトのシークレットコードは「コロラド・プロジェクト」、すなわち、この開発当初からチェロキー、そして北米市場を大きく意識していたのだ。
このグランドチェロキーは、これまで4世代に渡って進化を続けており、現行モデル(開発コード:WK2)は2010年に登場、その後、2度に渡るフェイスリフトを経て、昨年フルモデルチェンジが行われた。
さらに今年1月にはプラグインハイブリッド・バージョン(PHEV)の4Xeが加わった。この「グランドチェロキー4Xe(フォー・バイ・イーと読む)」はV8エンジン搭載モデルに代わる環境新世代におけるトップモデルという位置づけとなる。
■PHEVのデザイン差別化はわずか
米テキサス州オースチンで開催された試乗会で遭遇したPHEVバージョンのエクステリア・デザインはベースモデルとほとんど同じで細長いヘッドライトやリアコンビライト、さらにルーフとCピラーを囲むクロームラインでフローティングルーフ(ルーフが浮かんだように見えるデザイン)など今日的な内容を持っている。
ただしジープブランドのアイコンである7つのスリットを持ったグリルも健在である。PHEVの外観上のスタンダード・モデルとの差はわずかで、ブルーのアプリケーションだけである。
一方、レザーとウッド、そしてクロームで仕上げられた豪華なインテリアはドライバーの正面には10.25インチ、センターには10.1インチ、さらには助手席用に10.25インチのデジタルディスプレイが並んでいる。大きく異なるのはステアリングの左側下に「HYBRID」「ELECTRIC」「E-SAVE」のドライブロジックが並んでいることだ。
■市街地を走るならEVモードでも充分
試乗では「エレクトリック(EVモード)」を選択、高級調度品のようなダイヤル・ギア・セレクターをDに回してスタートした。
チェロキーのPHEVシステムは最高出力270psと400Nmを発生する4気筒エンジンに直接組み合わされるRSG(スターター・ジェネレーター44ps+53Nm)そして、8速ATに挟み込まれた134psと245Nmを発生する電気モーターによってシステム出力375ps、最大トルク637Nmを発生する。
まず、EV走行を試みたが、グロス17.3kWh(ネット14.0kWh)のリチウムイオン電池はメーカー公表値では電気モーターを介しておよそ25マイル(約40km)のEV走行を可能にし、その時の最高速度は130km/hに達する。
法定速度35マイル/時(約56km/h)が続く市街地や45マイル/時(約72km/h)の一般道路を抜け、最後に70マイル/時(約112km/h)のハイウェイにあるガソリンスタンドまでおよそ25マイルの行程だったがまだ2マイル(約3.2km)を残してでゴールした。
特別にスロットルを緩めて注意深く走ったわけではないので、日本のストップ&ゴー通勤であれば充分にEVで走り切れそうだ。チェロキー4Xeは8速ATを介しているので、走行感覚はガソリン搭載車のようで好ましい。
一方、エアサスは快適で凸凹の多い荒れた路面の多いアメリカの一般道路でもショックを吸収して快適な乗り心地を提供してくれた。つまり、日本における通常のドライブ(およそ30km以下、国土交通省)であれば夜間に充電(要12時間)しておけばゼロエミッションで用が足りるわけだ。
からの記事と詳細 ( 新世代ジープのトップモデル! PHEVのグランドチェロキー4Xeに試乗してわかったこと - BestCarWeb )
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