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Saturday, June 4, 2022

「神奈川=熊本」超ロングドライブでわかった電気自動車『日産アリア』の真価とは? - EVsmartブログ

「よく作ったなぁ、こんなの」という呟きが全て

個人でテスラ情報を発信していた「テスカス」こと畑本さんが、2022年からEVsmartチームに加入。動画情報の発信を担当し、YouTubeのEVsmartチャンネルでコンスタントに興味深い動画をアップ。EVsmartブログでも適宜動画とリンクした記事を紹介しています。

今回、要注目の最新動画が公開されたので、編集部としてポイントを解説しておきたいと思います。動画は、こちら。

日産アリアで関東から九州までドライブ!意外な魅力が分かりました!

4月13日に納車された、EVsmartチーム(アユダンテ)社有車の日産アリア B6 limited で神奈川県から九州の熊本県まで、片道約1200kmを一気に走りきる往復の超ロングドライブ。はたして、テスカスさんはアリアのどんな魅力が「分かった」のでしょうか。

まず最初のポイントが、アリアに搭載された「プロパイロット 2.0」の実力です。1カ月ほど前にも、テスカスさんは首都高でアリアのプロパイロットとテスラモデル3のオートパイロットを比較する検証動画を公開しています。狭くて制限速度が低くジャンクションなどが多い首都高速では、プロパイロット 2.0の真骨頂である「手放し運転」が可能な時間も短くて、自動運転機能の底力としてはテスラのオートパイロットに軍配が上がる印象だったのですが……。

今回の動画では、東名高速の大井松田ICを過ぎて足柄SAに向かう途中、左右ルートに分岐して急カーブが連続する上り坂や、新東名の120km/h制限区間などでプロパイロット 2.0を使用。R300のコーナーでも安心して手放しのまま運転を任せられる「実力」を実感しています。さらに、プロパイロット 2.0では準天頂衛星「みちびき」の測位情報も利用しているので「トンネルに入ったら使えない」と思っていたら、短いトンネルやトンネルに入って数百メートル程度は手放しのまま運転できることに感嘆。

4分過ぎ、R300のコーナーをプロパイロット 2.0で走りながら「よく作ったなぁ、こんなの」という、モデル3オーナーでもあるテスカスさんの呟きこそが、プロパイロット 2.0がアリアの大きな魅力となっていることを示しています。

ただし、EVsmartチームのアリアはフル装備の限定モデル「limited」なのでプロパイロット2.0が標準装備されていますが、通常モデルのB6などでは約52万円〜のオプション設定となっています。

90kW器での急速充電性能も申し分なし

次にテスカスさんが確認するのが、最大90kW出力の急速充電器による充電性能です。最初の充電は、スタート地点となった海老名SA(下り)から約220km先の長篠設楽原PA(下り)です。SOC45%から最初はしっかり200A、充電器の最大出力で充電されました。30分で91%まで、充電器の表示で29.0kWh充電できました。

次の充電スポットは、長篠設楽原PAから約171km先の名神草津PA(下り)です。SOCは50%から充電スタート。ここでも最初はしっかり最大出力の200Aが出て、93%まで、28.1kWh充電することができています。

もっとも、200Aの最大出力は長時間続くのではなく、時間経過とともに出力はなだからに落ちていきます。各急速充電器での出力推移を、テスカスさんがグラフにしてくれていたので紹介しておきます。

長篠設楽原PA(下り)急速充電出力推移

草津PA(下り)急速充電出力推移

おおむね200kmごとに30分、休憩がてらの急速充電で、バッテリー残量40〜50%から、90%以上にまで回復するという結果なので、EVの充電性能としてまったく問題ありません。

アリアの「46kW問題」について日産の正式な回答は

実は、アリアの急速充電性能について、ある条件下で最大46kW出力に制限されてしまうのではないかとする「46kW問題」がネット上などで話題になっていました。この問題のきっかけになったのが、EVsmartブログでも『新電元150kW器で最新EV3車種の充電性能検証テスト〜30分40kWh超えで十分でしょ?』で紹介した新電元150kW器試用の際、我々の直後に150kW器で充電したユーチューバーのEVネイティブさんが乗ってきたアリア B6 limited で30分間で23kWh程度、つまり最大46kW程度の出力制限がかかっていた現象でした。

その後、数日前にはev-life japanという別のユーチューバーさんが「日産アリアの46kW問題がとうとう解決!!」と題する動画をアップするなど、どうやら特定の条件に当てはまると、バッテリー保護のための制御が働くという理由が明らかになってきていました。EVsmartブログでも、今回の記事をまとめるに当たり、日産広報部に確認。正式な回答をいただくことができました。

簡潔にまとめると、「バッテリー残量95%以上まで充電し、車両の電源を5分以上オフにしないまま急速充電を行うと、バッテリー保護のプログラムが作動して、最大46kWに出力を制御する」ということです。95%以上まで充電するのは、最大90kWなどの高出力急速充電器に限ったことではなく、出力50kW以下の急速充電器や、普通充電でも同じとのこと。

出力制御といっても46kWなので、90kW以上の高出力急速充電を繰り返す時以外はほとんど関係ありません。また、充電中も車両の電源を5分以上オフにすることがないという使い方も、常に車両の電源をオンにして充電状態をチェックしながら動画撮影を行うような人以外には、ほとんど発生することはない条件と思われます。

とはいえ、日産では不便を感じるお客様に向けてソフトウェアの更新を実施する予定ということなので、さらなるアナウンスを待ちましょう。

峠道を走るのが気持ちいい!

テスカスさんが「分かった」ポイントとして最後に紹介するのが、アリアの、クルマとしての出来の良さです。

大分県内の山道(たぶんやまなみハイウェイあたり?)を走りながらのトークで、アリアの電費の良さをべた褒め。別府湾SAからの70kmほどの区間で平均電費が7.7km/kWhだったということなので、たしかに、それなりのボディサイズがあるSUVとしては抜群の電費性能と評価していいでしょう。熊本から神奈川へ、約1200kmの復路全体でも、平均車速が90km/hで平均電費は5.9km/kWhとまずまずです。

さらに、曲がりくねった峠にの道が「すごーい気持ち良く走れる」ことを高く評価。「高速、街、峠など、いろいろ走って、とくに峠道を走るのがすごく楽しい」「いろんなシチュエーションを体験しないとアリアの真価には気付けない!」と感嘆しているのが印象的でした。

ひとつだけ「電源ボタンはそろそろなくしてもいいのではないかと思う」というのは、モデル3オーナーならではの感想ですね。

2010年の日産リーフから干支一回り。私自身はまだじっくり試乗できていないのが口惜しいですが、日産アリアが、一周回ってさらに高い次元に進化したEVに仕上がっていることは間違いありません。

テスカスさんの最新動画。19分31秒とやや長めではありますが、見応えは十分。アリアはもちろん、最新EVの新車購入を検討中の方は必見です。

(文/寄本 好則)

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