
YouTubeで思わず二度見してしまうタイトル。それは…… ---------- 【HERMES分解】革職人がエルメスの400,000円のバッグとそれっぽい3,000円のバッグの作りの違いを分解しながら解説します ---------- 【写真】衝撃! 40万円のエルメスのバッグにハサミを入れて分解すると…! よよよ、40万円のエルメスを、ぶ、分解ですと!? 本当にあのエルメスをバラバラにしちゃうの? そんな動画、見たことない! 「ひょっとしてリッチなYouTuberのお金に糸目をつけない『やってみた」系ネタ動画? しかしネタにしてもすごすぎる……」と驚愕したライターの若尾淳子さんが野次馬根性丸出しで、この動画を制作したYouTuberに動画の制作意図を聞いてみた。しかし実際に話を伺ってみると、エルメス解体には、熱い職人魂とバッグ業界の深刻な課題が秘められていた。衝撃のエルメスバッグ分解について前編・後編でお伝えする。 まずは前編では、40万円のエルメスバッグ解体の全貌の詳細を見ていこう。
単なる「ネタ動画」とは違う目的がある
40万円のエルメスバッグ解体の動画をアップしているのは、「新進工房」という革職人たちのチャンネル。イマドキなルックスで、通常イメージする頑固で年季の入った「職人」っぽさはまったくない(失礼! )、若い革職人の仙入寛章さん(37歳)と弟の仙入雅之さん(34歳)の兄弟だ。 年々高齢化が進み、若手が出てこない革職人の現場や、ものづくりの裏側、革職人というレアな職業についてもっと知って欲しいという気持ちから、YouTubeを始めたという。
本物の美しさが際立つのは「ステッチ」
そんなふたりが取り出したのは、中古のガーデンパーティ(約40万円)と、市販の定価3000円の「ガーデンパーティタイプ」のバッグ(新品)。 いわゆる「本物」と「コピー」ものだ。エルメスといえば、ケリーやバーキンを思い浮かべるかもしれないが、このガーデンパ―ティも人気のシリーズ。シンプルなデザインで荷物を入れやすいこともあり、エルメスの中でもコピーされやすいバッグでもある。キャンバス地だけで作られたものはなく、キャンバス×レザー、もしくはオールレザー仕様になるため、新品なら最低でも25万円以上、レザー仕様は革の種類で価格は異なるが、45万円以上が相場と言われている。今回、解体するのはガーデンパーティの「アマゾニア」の使いこまれた中古品を使用している。 パッと見た分には、本物のエルメスは中古なので使用感があり、3000円のバッグのほうがパリッとしている。3000円バッグはとくに問題ないように思われるが、やはりプロはチェックが厳しい。 「本物に比べると、3000円のバッグはステッチのピッチ(縫い幅)が広くて、つなぎ目の処理も荒い。糸端が飛び出てるところもあって、引っ張るとちょっとほどけてきました」と兄・寛章さん。 対してエルメスのガーデンパーティは、ステッチや細部のコバ(革の端に塗料を縫って仕上げる)処理が非常にキレイだという。 「あえて革と同色の糸でなく、別の色の糸でステッチを入れてる時点で、技術への自信が見えます。これだと少しでも縫い目が歪んだら、すぐバレちゃうわけだから」と弟・雅之さんが感心する。 また、胴体と底のベルトの位置をきちっと合わせるとか、ハンドルをバッグ本体に縫い付ける部分をひと続きできれいにステッチをかけるのは、作業的に最も難しい部分なのだとか。エルメスの場合、その処理を裏からもあえて見えるようにして、完璧にピタッと合った縫い目をさりげなくアピールするあたり、職人視点では「もはやアート」と絶賛。 本物に感嘆する一方で、上代3000円で製品を仕上げている市販品も高く評価する。 「むしろ3000円でここまで仕上がるように、考えに考えて効率よく作っている工夫がすごい!」と、リーズナブルなバッグにも、学ぶべき点があると感心するふたり。 そもそもバッグの分解作業は、革職人が製法を学ぶ学習法のひとつだという。製作の手順をきちんとさかのぼって解体していくのは、バッグ作りの基本がわかっていないとできないことで、「ほどきやすそうなところから、とりあえず分解」しているのでは決してない。 「40万のエルメスを分解」にインパクトを受け、興味本位で見始めたものの、動画のあちこちで「勉強させてもらいます」「勉強になりました」と律儀に繰り返す彼らの言葉通り、職人ならではの向上心や探究心からの分解作業だというのが、徐々にわかってきた。
からの記事と詳細 ( 40万相当のエルメスバッグを分解してわかった、ハイブランドが高額な理由(現代ビジネス) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース )
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