
タクシー代に5万円
---------- 《支出》 ・配食サービス代1万円 ・デイサービスセンター使用料3万円 ・タクシー代5万円 ---------- これは北海道在住、野呂健吉さん(103歳)が、毎月つけている家計簿の一部だ。野呂さんが言う。 「私は現役を退いてからずっと弓道を続けています。週3~4日、デイサービスセンターに通い、そこに設置されているトレーニング器具で、弓を力強く引く訓練をしています。施設利用費が一日2000円で月に3万円かかります。 95歳のときに免許返納をしました。以降、弓道場に行くときは、行きは息子に送ってもらい、帰りはタクシーです。なので、交通費が嵩むようになった。タクシー代は5万円とかなりの出費になっています」 タクシー代で膨らんだ交通費とは逆に減ったのが、食費だ。野呂さんが言う。 「もうそんなに食べられなくなりました。一食500円の配食サービスを週に5回くらい利用していますが、それで十分ですね。食費は月に2万円程度しかかかりません」 福岡県在住の柳沢豊さん(97歳・仮名)も、毎月、家計簿をつけている。 《収入》 ・年金24万円 《支出》 ・食費4万円 ・病院代3500円 ・薬代5500円 ・光熱費、水道代2万3000円 ・遊興費4000円 柳沢さんが自身の家計簿を眺めながら言う。 「私は元々、国鉄に勤めていて、当時の定年の55歳まで勤めました。定年後は関連会社に再就職して62歳まで働きました。現役を退いてからずっと、国鉄と再就職先の会社の2社から企業年金を受け取っています。 いまでも毎日晩酌しているので酒代が嵩み、食費は高め。糖尿病と高血圧持ちなので、月々の薬代はこの程度かかっていますね」 以前と比べ、極端に減ったのが遊興費だという。 「盆栽に使うおカネだけです。昔は県外の品評会にも作品を出品していましたが、いまは庭で愛でるだけです」 10年ほど前は収入と消費がとんとんの暮らしだったが、妻を亡くし、人付き合いも減ったことで、自然と生活もサイズダウンした。そのため、100歳が近くなってくると、「おカネは貯まる一方」(柳沢さん)だという。 今さら大きな資産を築けるはずもないが、経済的な安心感は何より有り難いと感謝する日々を送っている。 『週刊現代』2021年11月6日号より
週刊現代(講談社)
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